■「支援再開は最悪のタイミング」新型コロナ・インフルW流行
一方で医療現場からは、この時期の再開に懸念の声があがっています。

インターパーク倉持呼吸器内科 倉持仁院長
「旅行支援っていうのは状況としては、ちょっと火に油を注ぐような状況になりかねない。残念ながらタイミングとしては最悪のタイミングになってしまったなというのが正直な感想ですね」
年明けから発熱外来を受診する長い患者の列。クリニックによりますと年末年始、発熱外来の受診が2022年と比べ、2倍から3倍に増えているといいます。
さらに例年とは異なる特徴も・・・

インターパーク倉持呼吸器内科 倉持院長
「2023年はインフルエンザも同時に流行してきている状況。いかに的確にきちんと検査できるかどうか、そこが最大のポイントになってくると思います」
全国で1月10日、新たに報告された新規感染者は7万5504人。253人の死亡が確認されています。
倉持院長は「風邪などの軽い症状でも家庭内での感染防止対策をし、早めに医療機関の受診をしてほしい」と呼びかけています。
感染が増加傾向にある中での旅行支援再開について、松野官房長官は・・・
松野博一官房長官
「本事業については、地域の感染状況に応じて、事業の実施を柔軟に判断できることとしていますが、旅行者の皆さまには引き続き、基本的な感染防止対策をしっかりと行っていただきたいと考えています」
■独自クーポンでさらに“上乗せ” ただ注意点も
小川彩佳キャスター:
1月10日から再開した全国旅行支援に期待の声もあがる一方で、混乱する現場も出てきているようですね。

喜入友浩キャスター:
2022年と変わった点が多くあるので、丁寧な確認が必要だという声も多くあがっていました。
割引率を比較すると2022年は40%だったものが、今回は20%と引き下げられました。
そして、割引の上限は、交通費込みの旅行は1泊当たり最大8000円から5000円、日帰りを含むその他の旅行は、5000円から3000円に引き下げられました。
また、旅先で飲食や買い物などに使えるクーポンは、平日が3000円から2000円(休日は1000円のまま)になり、いろいろ変わってる部分があります。
小川キャスター:
私も2022年に旅行支援を利用しましたが、クーポンがお得感あるんですよね。

喜入キャスター:
そうなんです。自治体独自のクーポンも今回ありまして、例えば千葉県、富山県は、2000円分のクーポン、大阪府ですと、平日3000円分、休日2000円分のクーポンがありますから、ぜひチェックしていただきたいと思います。
小川キャスター:
ただ今回の旅行支援は制度も変わって、気をつけなきゃいけないところもあるんですよね。

喜入キャスター:
注意点として、いつ予約をしたかという点です。
航空旅行アナリストの鳥海さんは「全国旅行支援の予約開始前の予約に関しては対象外となってるので、予約の取り直しが必要」だと。ただそうなると「予約したときよりも宿泊料金が上がっている可能性もある」ということで、注意が必要です。

実際にそうした事例も起こっていて、SNS上では「一度キャンセルして再予約をしてもらうつもりが、宿泊料金が値上がり、お得にならずやめた」と。全国旅行支援は10日から再開しましたが、10日からの分の全てが適用というわけではありませんので、予約した時期を改めてチェックしていただきたいと思います。
小川キャスター:
星さん、行動制限もなくなりこの全国旅行支援がまた再開しましたが、いつまで続けるのかなどはどう思われますか?
TBSスペシャルコメンテーター 星浩氏:
一時的な観光業のテコ入れにはよかったと思いますが、インバウンドが戻ってきましたし、これは税金でやってるわけですよね。それから病院で働いてる人や介護施設で働いてる人はなかなか使いにくいという、いろいろな問題点も出てますので、いつまでも続けるわけにいきませんから、少しずつ縮小していくべきだと思いますね。