「ゆとり教育」の功罪と世界に羽ばたいたスーパー世代
最後に余談ですが、学力低下で批判の矢面に立った「ゆとり教育」。世代的には1987年から2004年生まれで、学校の週休2日制が月1回で始まり、10年後に完全導入されたのも、この時代でした。特に1989年から96年生まれは、ど真ん中の「スーパーゆとり世代」とも言われ、じゃあどんな人がいるんだろうと調べて、驚きました。
まずはスポーツ選手が凄い。代表格はご存じ大谷翔平選手で94年生まれ。鈴木誠也選手も同学年ですよね。テニスでは錦織圭選手、体操では内村航平選手が89年生まれ、格闘技ではボクシングの井上尚弥選手が93年、フィギュアスケートの羽生結弦選手が94年、サッカーでは香川真司選手が89年、柴崎岳選手が92年、南野拓実選手が95年生まれなどなど、世界に羽ばたいたアスリートが次々育っています。
またミュージシャンでは、米津玄師さんやOfficial 髭男dismの藤原聡さんが91年生まれ、以下92年がKing Gnuの常田大希さん、94年がYOASOBIのAyaseさん、95年があいみょん、96年がMrs. GREEN APPLEの大森元貴さん、スーパー世代の一つ下、97年には藤井風さん――と、まぁすごいでしょう!
このほか作家では『イン・ザ・メガチャーチ』で今年の本屋大賞を受賞した朝井リョウさんが89年生まれ。漫画家では「呪術廻戦」の芥見下々さんと『チェンソーマン』の藤本タツキさんが92年生まれ――などなど、まさに「クールジャパン」の代表格の方々ですよね。人は世代で簡単にはくくれませんが、少なくともスポーツやカルチャーの分野では「ゆとり世代・万歳!」ですよ。
ここから見えるのは、教育はPISAの点数とか、ある一面だけで見てはいけないということ。そして改めて、教育=人材育成は国の未来と直接結びつく、大切な仕事だと痛感します。山中伸弥さんらが訴える「大学の基礎研究への支援」も含めて、政治家の皆さんには目先にとらわれず、国家100年の大計として教育を考えてほしいと切に願って、今日は閉じます。
◎潟永秀一郎(がたなが・しゅういちろう)

1961年生まれ。85年に毎日新聞入社。北九州や福岡など福岡県内での記者経験が長く、生活報道部(東京)、長崎支局長などを経てサンデー毎日編集長。取材は事件や災害から、暮らし、芸能など幅広く、テレビ出演多数。毎日新聞の公式キャラクター「なるほドリ」の命名者。














