県庁職員からの転身「有田焼で起業」転機はコロナ禍

海外で活躍したいという夢を描いていた副島さんは、2018年に福岡県庁の職員となり、2021年から念願の国際局に異動となったものの、新型コロナウイルス感染症が世界規模で拡大することに。

副島さん
「活躍の一つが公務員となって駐在員として働くことだったけれど、コロナ禍でそれが叶わなくなった。先が見通せないのであれば、自分で会社を立ち上げて、海外で活躍しようと」

佐賀県多久市出身の副島さんが、佐賀の強みを活かそうとたどり着いたのが「有田焼」での起業だった。焼き物の知識は独学。専門書を読みこんだり陶磁器に関する動画を見たりして有田町の窯元を訪問すると、その決意は次第に強まっていった。

副島さん
「ある窯元の高齢社長が『需要が減って売り上げがどんどん縮小していく。どうしていったらいいんだろう』って私の前で涙流されたりとかして一緒に泣いて、私の中で『有田焼で行こう』って固めた」

有田のカフェや窯元をいくつも巡る中で、副島さんはおもてなしの心や創造性も感じたという。

副島さん
「有田にはおしゃれなカフェがいっぱいあって、そこでは『(器を)使ってもらう喜びとか、その時間を提供したいんです』とか言われて、窯元では『器をぱっと料理人たちに見せた時の反応が面白い』とか、そこを想像して作っていて、なんだか“喜ばせ合戦”なんです。とてもクリエイティブというか、そこを忘れてはいけないなと思って」

有田焼でさらなる新事業の展開へ

副島さんの会社では、サブスク型で飲食店や高齢者施設への有田焼のレンタルサービスも展開している。

副島さん
「東京の飲食店では食器棚が狭いので、なかなか器の入れ替えができないって言われたので、それなら季節ごとにレンタルとか、がらっとラインナップ変えられますよみたいなところからレンタルを始めた。今は佐賀でもフリーランスの料理人がいろんな場所でレストランでされているので、その時にこういう器ありますかっていう依頼が来たりとか」

その他にも、今はアナログな窯元の在庫管理をデジタル化し、バイヤーがその状況を見ながら仕入れることができるインターネットサイトの構築も模索しているという。

今年7月で起業から1年を迎える副島さんの今後の目標とは―

JAFAN代表取締役・副島希帆さん
「伝統工芸で佐賀初のスタートアップが上場しましたっていうのを作りたいので、5年以内に上場することが今ひとつの目標」

400年以上の歴史をもつ佐賀の有田焼。その伝統と窯元を大切にしながら、副島さんが有田焼の新たな可能性を広げようとしている。

(NBCラジオ佐賀)