かつて「マーダーボール」と呼ばれた競技との出会い

ドラマ 『GIFT』(第7話)より

車いすラグビーは1977年、四肢に障がいのあるカナダの選手たち自身が考案。パラ競技の中で唯一、車いす同士の「タックル」が認められていることもあり、当初はその激しさから「マーダーボール(殺人球技)」とも呼ばれ、1996年に日本へと紹介されて以降、日本代表は近年パラリンピックで3大会連続メダルを獲得。現在世界ランク1位と、世界屈指のレベルを誇る。

これまで平野監督が手がけてきた作品は、『日本沈没ー希望のひとー』(2021年)、『マイファミリー』(2022年)、『ラストマン-全盲の捜査官-』(2023年、以上TBS日曜劇場)など、人間ドラマからファミリーエンターテインメント、バディ物までそのジャンルも多岐にわたる。

そんな平野監督と車いすラグビーとの出会いは約10年前。パラスポーツを題材にしたドラマを作りたいと思い立ちリサーチを始め、「初めて車いすラグビーという競技があることを知った」と話す。自身も学生時代にラグビーに没頭していた経験から、「スポーツとして非常に面白そうだ」とも感じたと言う。

当時、関連する資料や本もあまり見当たらなかった中、ある車いすラグビーチームのホームページにあった「練習・見学自由」という一文を見つけ、すぐに見学を申し込む。実際に見学に訪れ、選手たちが車いすを走らせる「スピード感」にも目を奪われた一方で、その競技特性に宿る「多様性」にも着目した。

車いすラグビーは、障がいの重さに応じて持ち点が割り振られ、1チーム各4人の合計値の中でチームを編成する。同じチーム内に性別や国籍も問わない選手がいることもあり、その面白さにも魅了され、時間を忘れ半日近く見学した。

「本作の第1話でも少し触れましたが、障がいの程度の違う人たちが、男女一緒になってプレーしていて、年齢や国籍も幅広くて、『こんなにもみんな違うんだ』ということにそこで気づきました」

なお、平野監督が最初に見学に訪れたこのチームは、本作で車いすラグビーの監修を務める峰島靖さんも所属するチーム「AXE(アックス)」だ。