新型コロナウイルスや物価高の影響で『介護事業者の倒産』が増加傾向にあります。2022年は11月までに全国で135件の介護事業者が倒産。この数は前年の約1.7倍にあたり過去最多となっています。これほどまでに介護施設の経営を圧迫しているものは何なのか?取材班は今回、兵庫県にある介護施設の苦しいお財布事情を取材しました。
手袋代・消毒液代・防護服代…苦しい「感染対策費用」

兵庫県尼崎市にある介護施設「ゆめパラティース」。日常生活を送るうえでサポートが必要なお年寄りら約120人が入居しています。
(入居者)
「(Qきょうのご飯はおいしいですか?)まぁまぁ笑」
「朝でも牛乳にフルーツ、パンのときもあるし雑炊のときもある。(Q飽きませんね?)楽しいですよ」
介護が必要な人とその家族を支える介護施設ですが、実は今ギリギリの経営を余儀なくされています。
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施設内にあるカラオケルーム・理美容室。入所者で賑わっていると思いきや、扉を開けると大量の段ボールが積まれていました。
(ゆめパラティース 藤本章代施設長)
「これはマスクですね。あとはビニール手袋を置いていますね。何回も(感染の)波が来ることによって大量に発注しますので置き場所がなくなって、新しく倉庫も1つ買ったんですけれども、それでもまだ間に合わずにこういう理美容室を使って倉庫にしていますね」
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新型コロナウイルスの感染対策のため頻繁に使用する手袋。以前の3倍の量を使っているといいます。その価格も物価高の影響で手袋1箱で約400円。以前は1枚あたり2.1円でしたが、現在は3.98円にまで値上がりし、コロナ前の約2倍の金額になっているといいます。新型コロナウイルスの流行以降、施設では毎日5000枚ほどの手袋が必要で、まさにコロナと物価高のWパンチに苦しめられているのです。
(ゆめパラティース 藤本章代施設長)
「(手袋の)金額も一時は5倍になったんですけれども今は約2倍。もうかなり厳しいですね。負担がかかってきますので、いつまで続くのかわからないですけれども、とても不安に感じています」
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さらにコロナ前は滅多に使わなかった防護服。現在は170着使用する日もあるといいます。その価格も、以前は1着63円でしたが、現在は100円と、コロナ前の2倍近くに値上がりしているのです。
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感染対策のため消毒の回数も増えています。消毒液の使用量はコロナ前の2倍、価格も2割ほど上がったといいます。
(施設職員)
「1日3回。朝ごはん後、昼ごはん後、晩ごはん後に手すりの消毒はしています。ご利用者さまのことを守るためとなるとしている方がいいと思いますよ」














