SAGA久光・栄が語る北窓「責任感を手放さなかった」
その変化を、最も近くで見てきた選手がいる。 SAGA久光のキャプテン・栄絵里香(35)だ。
「代表で出られなかった悔しさを、久光では“自分が引っ張る”という覚悟に変えていた。代表に戻って試合に出るために、自分がリーグで成長しなきゃいけないんだ!と明確にしてプレーしていた。 苦しい時期もあったけれど、責任感を手放さなかった。 どんな時も全力で『持ってきて!』と呼ぶ“声の強さ”はリーグで一番だった」
“簡単に崩れない力”。 それは北窓が自分と真正面から向き合った証だった。「以前の私は自信がなくて、試合中にも逃げる思考が強かった」。北窓はそう自身を振り返る。しかし今は違う。その変化の背景には、彼女独自の“時間の哲学”がある。
「私は“毎秒毎秒、すべてが後悔”だと思っている。 でも、その後悔を“次はこうしよう”と未来に繋げるのが反省。 そして反省を“どう動くか”に落とし込むのが準備。1秒先は全部未来。良くするのも悪くするのも自分次第。後悔と反省と準備をどう使うのか。自分次第でいくらでも凄くいいものに変えられる。そこが本当に面白い」
未来を恐れない。 むしろ「楽しみしかない」と言い切るその姿勢が、北窓絢音の強さだ。その中で北窓に問うてみる。“北窓絢音”とは?
「『成長を楽しむ人間』。課題も含めて、自分の成長や未来をすごく楽しみにしている。それに向かって、どんなに高い目標を達成しても、『まだまだ足りない』と本当に貪欲にバレーに没頭するのが北窓絢音です」
その言葉には、飾り気がない。 ただ、未来を見据えるまっすぐな眼差しだけがあった。北窓にはどうしても譲れない場所がある。
「アウトサイドヒッターが一番、自分の性格に合っている気がするんです。小さいころから一番輝ける場所だなって。憧れの木村沙織さんも同じ場所で輝いていましたし、そこは絶対に譲りたくない場所。監督にはアウトサイドヒッターとして評価してほしいし、アウトサイドヒッターで『北窓を使いたい』って思ってもらえるようにならなければいけない」
積み重ねた1秒の努力を自信に変え、 代表2年目のシーズンへと向かう。まだやるべきことはある。 だが、北窓絢音はその未来を恐れない。1秒先の未来を、自分の手で変えていくために。 その先に広がる景色を、彼女は自分の力でつかみにいく。

















