効果を予測する指標となるT細胞

解析の結果、がん細胞を攻撃する免疫細胞のうち、特にがんを認識する能力が高いタイプのT細胞が腫瘍に直接接触して作用していて、免疫チェックポイント阻害薬が効果を発揮するために非常に重要であることが明らかになりました。

具体的には、CD8・CD39・CD103・Ki-67陽性の表現型を持つ「機能的組織滞在性メモリー様CD8陽性T細胞(がん細胞に攻撃をし続け疲弊状態にあるが、がん抗原認識能をかろうじて保持している主要組織内に常在するT細胞)」が、独立した予後予測因子(生存率を左右する指標)として同定されました。

これらの細胞は疲弊マーカーを発現しつつも腫瘍反応性を保った「機能的疲弊状態(過剰なストレスや過労によりエネルギーを使い果たし、正常に機能しなくなっている状態)」にあると考えられており、免疫チェックポイント阻害薬によって再活性化される細胞集団である可能性があります。

腫瘍内のCD8陽性T細胞の密度が高い患者ほど、免疫チェックポイント阻害薬の治療効果が良好であることも確認されました。

【図解】免疫チェックポイント阻害薬の効く腫瘍と効かない腫瘍の比較