世界初・100人規模の空間的単一細胞解析

研究グループは、肺がん細胞の腫瘍微小環境を評価するために29種類のタンパク質を指標として選抜し、103人の非小細胞肺がん患者の治療前腫瘍組織において、多重免疫染色を用いて、腫瘍微小環境を空間的・単一細胞レベルで解析しました。

数十種類以上のタンパク質を同一空間において単一細胞レベルで解析するためには非常に高度な技術が必要であり、100人規模の患者を対象にこの解析を実施した研究は世界初となります。

具体的には、リンパ球系と骨髄系細胞をそれぞれ解析する29種類のバイオマーカーの多重免疫染色プラットフォーム(1枚の組織切片で数十種類のタンパク質や遺伝子発現を同時に可視化・解析できる最先端のシステム)を構築。

デジタル画像解析による組織セグメンテーション技術で「腫瘍胞巣(がん細胞が密集して塊になっている領域)」と「腫瘍間質(腫瘍胞巣の間を埋めている支持組織)」を区別し、各免疫細胞群の密度と治療効果(無増悪生存期間・全生存期間)との関連を評価しました。

また27例では遺伝子発現プロファイリング(細胞や組織における多数の遺伝子の活動パターンを網羅的かつ定量的に解析する手法)も実施し、単一細胞・空間・転写レベルを統合した多層的な解析を行いました。