長野市の中学校に車いすで教鞭をとる教頭先生がいます。突然の病気で生死の境をさまよいながらも復帰、特別な授業を企画しました。

長野市の中学校で教頭を務める小泉一輝さん(47)。車いすで生活を送っています。

信州大学附属長野中学校 小泉一輝さん
「体が動かないことも、なかなか病気が治らないことも、とてもつらかった」

4年前、市の教育委員会で働いていたときに発症者が極めて少ないという「脳脊髄炎」と診断され、11日間、意識不明の状態となりました。

一命は取り留めたものの下半身にはまひが残り、医師からは「動く見込みはない」と告げられました。

小泉一輝さん
「もう一度生かしてもらったというか、生かされたからには、何か伝えていく使命があるのだろうし、だったらやっぱり未来ある子どもたちのところに戻りたい」

希望を捨てずにリハビリを重ね、足は少しずつ動くようになりました。

小泉一輝さん
「生徒たちが勉強できるようになるのと同じように、歩けるようになるとか、新しい世界が広がっていくなら」

病に倒れてからおよそ2年半、この中学校に赴任しました。

文部科学省によりますと、長野県内の障がいのある教員の雇用率はおよそ1%です。

校内ではバリアフリー化が進められ、出勤の掛札は、手の届く位置に。職員室には休憩用のベッドも設置されました。

この日、小泉さんは復帰後初めて授業を企画しました。

小泉一輝さん
「附属長野中には学校での学習や活動だけでなく、すばらしい力を持った仲間がたくさんいます」

そろばんの暗算や書道。表舞台で表現することが苦手な生徒たちの隠れた力を知ってもらう試みです。

小泉一輝さん
「見えない部分も自信持って出していこうよ、ありのままの姿でいいからというのを伝えられたらなというのが一番の思い」

生徒
「みんなが頑張っているところを見て、自分もできるようになりたいなと思った」

自分が伸ばせるもの、それに目を向けてほしい。車いすの教頭先生からのメッセージです。

小泉一輝さん
「自分の姿をいま受け入れるのって、すごく勇気がいるし苦しいことだけど、それをやった自分。自分もやれた、自分もやりたいを一緒に子どもたちとできたらいいな」