季節で変わる「クマのメニュー」と夏の意外なエサ

藤木准教授の調査では、クマが季節ごとに食べ物を変えている実態も明らかになりました。

季節ごとの主な食べ物(研究で判明した内容)

【春】冬眠明けの体力を戻すため、消化が良くタンパク質の高いタケノコなど
【初夏〜夏】山から植物性のエサが減る時期。アリ、ハチ、オオゴキブリ(山の昆虫)など
【秋】冬眠に備えるための液果類、および炭水化物や脂質の多いドングリ類

夏の時期に食べる「オオゴキブリ」は、街中で見かけるものとは異なり、朽ち木の中などでゆっくり動く昆虫です。これらは消化が悪く、そのままの形でフンに出てくることから、藤木准教授は「好きで食べているというより、他にエサがない時期に、仕方なく食べているのではないか」と推測しています。

こうした季節ごとの詳細な食生を知ることは、クマの生態を理解するうえで重要な材料となります。

クマが好みそうなタケノコや、液果類の「代替採食物」となるカキがなる木といった誘引物を近くから無くすことで、クマ被害のリスクを低減できる可能性がある、ということです。