中国の政治的思惑と「パンダ外交」

偶然とは思えない気もしますが、いずれにせよ、中国が「美談」を語る時には政治的思惑を帯びることもあります。人々が忘れかけた話を掘り起こすのも中国流です。今回、55年も前のピンポン外交を引っ張り出したのは、典型的なケースと言えるでしょう。今週、トランプ大統領が中国を訪問します。中国にとって今年最大の外交イベントであり、それを前にいくつか先手を打ってきたわけです。

中国からアメリカへのアプローチと言えば、中国は最近、ジャイアントパンダ2頭をアトランタ動物園に貸与することを発表しました。卓球がピンポン外交なら、こちらは「パンダ外交」です。

パンダの貸与を発表したのは4月末。大統領の訪中を控え、友好ムードを演出する狙いでしょう。先ほども述べたように、中東危機の中、中国は水面下で友好国イランへ停戦を強く働きかけています。イランとの交戦の出口を見いだせず、窮地にあるとされるトランプ氏に手を貸した形です。また、先月には台湾最大野党・国民党主席との国共トップ会談をセットし、融和を演出して見せました。これも、台湾に大きな影響力を持つアメリカを意識したものです。