ロシアによるウクライナ侵攻は史上初めて「原発」も攻撃の対象になっています。この事態を深刻に受け止める福島のある女性を取材しました。
福島県南相馬市にある「旅館」の女将・小林友子さん(70)。福島原発の事故では避難を余儀なくされ、ともに旅館を経営していた家族とはバラバラに。旅館を本格的に再開できたのは、2016年のことです。
小林友子さん
「あそこにウクライナと福島の交流っていうのを…」
小林さんは、福島原発の事故をきっかけに、史上最悪の原発事故と言われた1986年に旧ソ連のウクライナで起きたチョルノービリ=チェルノブイリ事故の被災者らと交流を始めました。廊下にはその写真などが飾られていて、戦争が続く今も連絡を取り合っています。
小林友子さん
「寝られなかったし、毎晩メッセンジャーのやりとりして。良かった、まだ生きてる」
小林さんは、これまでに3度ウクライナを訪れ、事故を起こしたチェルノブイリ原発やその周辺地域を視察。個人宅なども訪ね、放射能の影響などについて確認してきました。
小林さんは今、どうしても許せないことがあると言います。それは、ロシア軍が「原発」を攻撃対象にしていること。外部電源が一時的に喪失する事態も起きています。
小林友子さん
「何をするのロシア。自分たちがここで避難して、その思いって重なるんです」
小林さんは、原発事故後の苦悩をこう話します。
小林友子さん
「みんなの絆が切れて生活がなくなり、築いてきたものが目に見えなくなり、帰れない状況になってしまったことは、決してお金では償えないもの」
上村彩子キャスター
「ロシアが原発を脅しのカードとしているが?」
小林友子さん
「生きられないです」
戦争で稼働中の「原発」が狙われるのは、史上初めてのこと。小林さんと交流を続ける現地のウクライナ人女性は、こう話します。
ドンチェバさん
「ウクライナで起きている戦争は新しい戦争。私たちにその戦争の手段(原発攻撃)が実験されてほしくない。次の日は最後の日になるかもしれないし、新しい日になるかもしれない。私たちは今、天秤にかかっている状態」
小林友子さん
「Never give up」
ドンチェバさん
「私たちは強い。生き抜きます」
原発事故の悲惨さを知る小林さん。ウクライナの厳しい現状を思い、義援金を集めるイベントを開催し続けています。
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