世界から「日本酒」に問い合わせ相次ぐ…アメリカ売り上げは2倍に

 円安が続く状況を商品PRの絶好の機会ととらえる企業もありました。兵庫県姫路市の「本田商店」。「龍力」のブランドで知られる老舗の酒蔵です。
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 去年11月、新酒の仕込み真っ只中の蔵に英語が飛び交っていました。

 (本田商店の輸出担当者)「10日前に仕込んだ酒です。気泡が見えるでしょう」
 (ソムリエのアーロンさん)「とてもフルーティな香りですね」

 アメリカ・ラスベガスのホテルで働くソムリエのアーロンさん。ホテルで出す日本酒として龍力も取り扱っていて、「どのように造られるのか見てみたい」とアメリカから視察にやってきていたのです。

 (ソムリエ アーロンさん)
 「本当にフレッシュです。口の中が少しくすぐられる感覚があって、泡が分かりますね。ふわっとリンゴと梨と…。こんな感じの日本酒は淡泊な魚ととても相性がいいですね。完璧です」
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 この酒蔵では年間売り上げの1割ほどが海外向けです。最近、特にアメリカ向けが好調で、この1年でアメリカ向けの売り上げは倍になったといいます。
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 (本田商店 本田龍祐社長)
 「こちらが外国に輸出する『秋津』です。アメリカのロサンゼルスに行きます」

 こちらのお酒「龍力純米大吟醸・秋津」は最高級の酒米から造られる純米大吟醸酒で、日本での小売価格は税込み1万6500円。アメリカでは1本500~700ドルくらいで売られていて、かなり高級な部類に入りますが、円安になってから注文が増加。今はアメリカや香港などに年間約500本を輸出しています。
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 さらに最近は中国やシンガポールのバイヤーからも取り扱いたいという問い合わせが相次いでいるといいます。

 (本田商店 本田龍祐社長)
 「『今までちょっと高かったものがリーズナブルに飲めるよね』という評価はむちゃくちゃあります。『ウチと取引してくれませんか』という引き合いは山ほど来ます」
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 なかには、こんなお酒も。

 (本田商店 本田龍祐社長)
 「これがね、『秋津』の20年物。アメリカで1万ドルで飲んでいただいております」

 日本円に換算すると約130万円ですが…。

 (本田商店 本田龍祐社長)
 「(Q売れるんですか?)そうですね、年間10本ほどですけどね」

 海外の人にとっては円安で割安になったことなどから注文が増え、売り上げは前年の1.6倍以上と好調です。