ハルゼミの声からわかることは?

──松林に響くハルゼミの声からどんなことがわかりますか?

(東洋産業 大野竜徳さん)
「ハルゼミは街中ではなく少し山あいの健康な松林を好みます。松枯れが進むと、彼らの住む場所そのものが減ってしまいます。

一見健康に見える松林もその維持のために農薬の散布を行っているところもあります。

農薬の散布がハルゼミへどのくらい影響しているかは明らかになっていませんが、何もしなけば松枯れが広がり、松林が消滅するリスクが高くなってしまいます。

けれどハルゼミの成虫、幼虫が好む松への人が行う対策はハルゼミへの影響がなければ良いなと願わずにはいられません」

「もし山で、なんだか今年はセミの声が少ないなと感じたとしたら。それは単なる気のせいではなく、松林の状態が変わっているサインかもしれません。

セミは毎年羽化してくるはずですが、環境は毎年同じではありません。彼らの声は、ある意味で自然からの正確な健康診断の結果です」

ハルゼミの声を聞いて春を感じた方。その背景をイメージして下さい。

「ハルゼミをはぐくむこの松林は元気だろうか?」
「枯れた木は増えていないだろうか?」
「去年と同じようにセミは鳴いているだろうか?」

そんな観察ができると、自然に一歩近づけるかもしれません。