マツノザイセンチュウはどうやって松林に広がる?

──では、どうやって松林に広がっていくのでしょうか。

(東洋産業 大野竜徳さん)
「マツノザイセンチュウは、松を餌にする日本に昔からいたカミキリムシに乗り移り移動します。つまり、カミキリムシは、運び屋にされてしまっているのです。

カミキリムシのほうが大きくて目立つし、松をかじってしまう害虫であることは間違いないのですが、いつのころからか乗り移った線虫がかなりの危険物、という構図です。

線虫が松の中に入り込むと、マツが自分を守るために過剰な反応が起き、体中に水を通す導管が詰まってしまいます。まるで血管が詰まったように松は急速に弱っていきます。

外から見ると、元気だった木が1~2か月の短期間で急に赤茶色に変わって立ち枯れして死んでしまう…これが松枯れです。

この松枯れはかなり甚大な被害を与えることがあり、岡山県でも1970年代後半から1980年代初頭に場所によっては壊滅的、といっても言い過ぎではないくらいの被害が報告されました。

今、日本全国に広がった松枯れ対策に多くの人が携わって研究、監視し、様々な手法で松林を守ってくれています」