東京・目黒にある懐石料理店『八雲うえず』。県出身の上江洲直樹さんが営む店です。

八雲うえず 店主・上江洲直樹さん
「アナゴですね。お寿司用のアナゴですね。年末にお寿司をやるので少しずつ仕込んでいる」
来月でオープンから丸二年と新しいお店の『八雲うえず』。基本を守りつつも枠にとらわれない料理が評価され、去年、あのミシュランガイドで1つ星を獲得しました。
八雲うえず 店主・上江洲直樹さん
「すごく光栄なことだと思うんですが、やはり期待されてご来店されるお客様もすごく増えたので、その期待を裏切らないよう精一杯やり続けていくという、やり続けていく難しさっていうのをすごく実感しています」
那覇市出身の上江洲さん。高校卒業後、県内の専門学校に進み、料理の道へ。様々なジャンルがある中で和食を選んだのは…

八雲うえず 店主・上江洲直樹さん
「沖縄で育って、中々、和食に触れる文化がなかった。日本人として日本料理を極めたいなと和食の道に進むことにした」
そんな思いから、専門学校卒業後は一流店の門を叩きます。京都にある老舗料亭・菊乃井が東京に店舗を出すタイミングで菊乃井に入り、上江洲さんの修業が始まります。
八雲うえず 店主・上江洲直樹さん
「(修業時代は)寝る暇がなくても、みんなカツラ剥きの練習をしたり、包丁を研いだりしていたので、そういう環境が普通だった。つらいというより、毎日がいろいろ新しいことの発見で楽しいということが多かったかもしれない」

寝る間も惜しんで技術の習得に励んだ修業時代。菊乃井で16年働き、最後の2年は料理長を務めました。オープンからわずか2年弱でのミシュランの星獲得は、確かな技術と経験に裏打ちされています。
八雲うえず 店主・上江洲直樹さん
「今日は調子が悪いとか、調子がいいとかあると思うのですが、毎日同じクオリティのものを作り続けていくということを、心がけてるんですが、それがやはり一番難しいことだなと日々思いながら、やっています」
日々同じものを作り出す。一見シンプルにも見える地道な作業が『八雲うえず』の料理を支えています。

八雲うえず 店主・上江洲直樹さん
「海外の方が増えてきましたね。ホテルのコンシェルジュの方だったんですけどメールやホテル経由での予約が結構増えてきましたね」
Qやっぱりミシュランの効果
「そうだと思います。今までなかったです」
この日、店を訪れたのは月に1度はうえずに通うという常連さん。上江洲さんが作り出す、数々の料理に舌鼓を打ちます。

常連客
「菊乃井で修業している20年前から知っていて、ずっと菊乃井でも腕が良くって、目利きもすごいので、食べたことのない和食の美味しさ。ぜひ、沖縄の人にも来てほしい」
「要するに一言で言ったら、美味しいんですよ」
常連客の隣で熱心に写真を撮っては、料理を口に運ぶ福原舞己さん
「初めて食べるもの、カウンターでコース料理食べるのも初めてなので、勉強になりました」
県内のホテルで料理人として働いていた福原さん。今月、上京し、上江洲さんのもとで修業を始めます。
Q沖縄からの後輩は中々いないのでは
八雲うえず 店主・上江洲直樹さん
「嬉しいですね。昔、僕もそうだったと思うのですが、目標持って腹くくって出てくるというのはすごい、素晴らしいことだと思うので、応援したいですね」

Q新たな仲間も加わる2023年『八雲うえず』はどのような店に?
八雲うえず 店主・上江洲直樹さん
「今までは土台作りというか、良い土台ができてきたかなと思うので、自分のスタイルを確立できるような飛躍できる年にできればいいなと」