SNSの「設計」が争点になった裁判で「責任あり」の陪審評決
今回の裁判で画期的だったのが、SNSの「設計」が争点にされたことだ。
これまでSNS企業は、連邦法の「通信品位法230条」によって一定程度守られてきた。SNSはあくまで「プラットフォーム」であり、利用者が投稿した内容について企業側の責任は問われないという考え方だ。
しかし今回は「投稿内容」ではなく「サービスの設計そのもの」に焦点が当てられ、SNS企業の責任が俎上に載せられた。
裁判ではメタの内部文書も証拠として示された。10代を重要なユーザー層と位置づけ、利用時間を伸ばすことが目的とされた点や、顔や体型を加工する特定の機能について専門家が若者への悪影響を指摘していたことを把握しながら、十分な対策が取られていなかったとする点が追及された。
メタのマーク・ザッカーバーグCEOも出廷し、過去に利用時間を重視する指標が存在していたことを認める一方、現在はそのような目標は設けていないと説明した。「人々は価値のあるものを多く利用する傾向がある」とも付け加えた。
3月、陪審団は企業側の責任を認める評決を下した。SNSの設計や運営における企業側の過失に加え、サービスの利用に危険が伴う可能性を認識しながら、利用者に対して十分な警告を行っていなかったことも認め、メタとグーグルに対し、合わせて600万ドル、日本円で約9億5000万円の賠償を命じた。
陪審団の判断は、SNS企業の責任をめぐる議論に新たな局面をもたらすものとして、アメリカの主要メディアが一斉に大きく報じた(冒頭の写真)。
原告側の弁護士は「今回の評決は、業界全体に向けて『責任を問う時代が来た』ことを示している」と強調。一方、メタとグーグルは控訴する意向を示している。














