照明技師としての経験を軸に――撮影監督としての関わりへ

ドラマ『田鎖ブラザーズ』第1話より

宗さんが『田鎖ブラザーズ』演出の山本剛義さんと出会ったのは、2015年に放送されたWOWOWドラマ『海に降る』だった。当時は照明技師としてのキャリアを積み始めた頃で、「お互いにメインになったばかりで、その時から仲良くさせてもらっていた」と振り返る。その後も山本さんからはたびたび声がかかっていたが、実現には至らなかった。

理由の一つが、関わり方だった。「『照明だけ来てください』というオファーは何度もいただいていたのですが、照明だけだと撮影現場全体を変えることは難しいという思いがあって」。映画の撮影現場でも、宗さんはカメラマンではなく監督やプロデューサーから直接声がかかることが多く、作品ごとに撮影体制が変わる中で、より主体的に画作りに関わりたいという意識を強めていた。

転機となったのは、映画「#拡散」で撮影監督のオファーを受けたことだった。「その話を山本さんにしたら、『撮影監督だったら来てくれるんですか!』と(笑)」。撮影監督としてであれば、撮影現場の環境作りや画のトーンを自ら設計できる。「『撮影監督だったら、自分のやりやすい形で画作りができるかもしれない』と話したのが、今回につながりました」と明かす。