家業を守り抜く経営者としての父に忍び寄る“影”
当時の家族構成は、父(79)と母(77)、長男の私(53)、そして妹(51)と
弟(49)。私と妹弟はそれぞれ実家を離れ、自分の家庭を築いていました。
父は50代で胃がんを患い、胃の大半を切除するという大手術を乗り越えた経験があります。術後は大好きだったタバコを断ち、食事にも細心の注意を払いながら、祖父から継いだ家業を守り抜く経営者として、がむしゃらに働いてきました。

70歳を節目に一線を退いた父にとって、晩年は孫を車に乗せて遊びに連れて行くことが何よりの楽しみでした。
しかし、胃がん手術の影響で腸の動きが弱まっていたのか、年に数回「腸閉塞」を起こし、そのたびに入院を繰り返していました。
元気な姿と、病室のベッドの上を行き来する父の姿に、私たちは少しずつ、忍び寄る「影」を感じ始めていました。














