<熊本地震犠牲者追悼式 熊本市 大西一史市長 追悼のことば>

熊本地震10年犠牲者合同追悼式にあたり、熊本地震により尊い命を失われたすべての方々に対しまして、熊本市民を代表し、謹んで哀悼の誠を捧げます。

また、最愛のご家族や大切な方を失われたご遺族の皆様、そして被災された皆様に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。

10年前のあの日、二度にわたる最大震度7の揺れにより、かけがえのない命が失われ、平穏な日常が大きく一変しました。

暗闇の中で収まることのない余震、土煙を上げる熊本城、崩れ落ちた家屋、被災された方々が殺到し混乱する避難所、そして先の見えない不安な日々を耐え続けた人々の姿は、生涯忘れえぬ記憶として今もなお私の胸に刻まれています。

とりわけ、尊い命を守りきれなかったことへの後悔、救えなかった命への無念を、決して忘れることはありません。私自身、市長として何をすべきであったのか、この10年間、問い続けてまいりました。

本日の追悼式は、過去を振り返るだけの場ではなく、尊い命の記憶と当時の思いを未来へと着実に繋ぎ、同じ悲しみを繰り返さないための決意を新たにする大切な時間であります。

熊本地震により行政機能も混乱していた極限の状況の中で、私たちは大きな困難に直面してきましたが、ボランティアをはじめとする国内外からの温かいご支援、そして地域での避難所運営など支え合う姿の1つ1つが、私たちに再び立ち上がる大きな力を与え、甚大な被害を受けた熊本を力強い復興へと導いてくれました。

この経験を通じて、私は地域の中で助け合い、支え合う繋がりこそが、私たちの命と暮らしを守る真の防災力であるということを強く実感しています。

本市としましては、熊本地震から学んだこの最大の教訓を決して風化させることなく、次の世代へ確実に引き継ぎ、同じ悲しみを繰り返さない社会を築いていくことこそが、今を生きる私たちに課せられた使命であり、亡くなられた方々への何よりの追悼であると考えております。

皆様に支えられた日々を、今度は私たちが誰かを支える力、助け合う力へと変え、安全・安心で災害に強くしなやかなまちの実現に向け、全身全霊をかけて取り組んでまいりますことを、御霊の前に固くお誓い申し上げます。

結びに、改めまして熊本地震により亡くなられたすべての方々の御霊の安らかならんことを心よりお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様のご平安を心より祈念申し上げ、追悼の言葉といたします。