「手で食べるとおいしい?」真相は?

東京・新宿区のレストラン「ダンシングクラブ東京」では、カニなどのシーフードがテーブル上に提供され、みなさん手袋をつけて豪快にかぶりつきます。若い人の来店も多いようです。

東京・豊島区にある焼き鳥屋さん「焼鳥どん 駒込店」でも、大ぶりな唐揚げを豪快にタルタルソースにディップしていただきます。

私は手で食べた方が美味しく感じたのですが、本当にそうなのか。今回、専門家にその真相を聞いてみることにしました。

聞いたのは「お寿司」について。

「お寿司」を食べる際、手で食べるとお箸で食べるよりも「おいしい」と思うかどうかについて、まずは心理学でおいしさを研究している東北大学の坂井信之教授に聞きました。

――寿司は手で食べるのと箸で食べるのどっちがおいしい?

東北大学大学院文学研究科 坂井信之 教授
「難しいですね。手で寿司をつかむとシャリのデコボコも感じるし、感覚の量っていうのが箸で食べるときよりもかなり多くなる。基本的には手で食べる方が味は深く感じやすい

――触れることによっておいしさを感じとる?

「おいしいかどうかはまたちょっと別なんですよ。おいしいとはなかなか言えない」

続いて、日本味覚協会代表の水野考貴さんにも聞きました。

日本味覚協会代表 水野考貴さん
「もちろん個人差はあると思うんですけど、手で食べたほうがよりおいしいと感じやすい。クロスモーダル効果の影響が大きい」

例えば、風鈴の音を聞くと「涼しく感じる」。高級な皿に盛られた料理は「おいしく感じる」。

1つの感覚が別の感覚に影響を与えることを、「クロスモーダル効果」と言います。

では、お寿司を手で食べると、なぜおいしく感じるのでしょうか?

日本味覚協会代表 水野考貴さん
「手で触ることによって『柔らかそうだな』とか『脂がのってる感触だ』とか、そういったものを感じて『おいしそう』っていうのを先にキャッチするんですね。先においしそうって思うものを食べると、『あ!やっぱりおいしい』っていうことでおいしさがアップしたりだとか、そういったことが起こりうる」

ただ、すべての物が手で食べると美味しいというわけではないそうです。

日本味覚協会代表 水野考貴さん
「カレーやシチューなどのドロドロして手が汚れやすい(と感じる)ものは心理的マイナス効果が勝ってしまう。手よりも箸やスプーンの方がいい」