当事者を追い詰めるのは、孤独ではなく 他者の“眼差し”

吉間氏はまた、当事者を苦しめるのはその人自身の暗い過去ではなく、他者の眼差しであると強調した。問題は、支援者の言葉が持つ力の大きさだ。支援者の言うことを聞いた方がその場はしのげるからこそ、支援者の言葉は追い詰めるパワーを持ちうる。

支援者が求める「立ち直り」や「回復」、「更生」への期待は、当事者に「自分はいつまでも犯罪者だ」という認識を強化してしまうかもしれないという。そのうえで吉間氏はこう指摘する。

薬物再犯防止をテーマに講演した検察官・吉間慎一郎氏

「支援者として目指す “犯罪者からの離脱” とは、実は “立ち直り支援からの離脱” なんです。言葉遊びみたいな話ですが、既存の “こうあるべき” という(支援の)枠組みから外れることのほうが、自分はいつまでも犯罪者だと認識しなくて済むということです」

それに向けて支援者ができることは何だろうか。「規則正しく暮らせ」「(薬物依存なら)病気なんだから治療しろ」といった支配的な言説の影響をまずブロックし、本人が自分の言葉で自分の人生を振り返れる場をつくること。

吉間氏はそれが「成解」への出発点なのだと強調した。