「派閥=悪ではない」麻生派に加入した新人議員が語る実像

こうした状況の中で浮上しているのが、派閥復活の動きだ。「政治とカネ」の問題をめぐり、かつて6つあった派閥のうち5つが解散し、現在、派閥として残っているのは麻生派のみ。しかし原田記者は「旧派閥の面々で夜の懇談会やランチ会、勉強会を少しずつまた始めている」と明かす。
そもそも派閥の機能とはどういうものか。原田記者はこう説明する。
「これまで新人議員の教育は派閥が担ってきた部分が非常に大きかった。会社で言えば、党がやるのは人事部や総務部の基礎的な研修。派閥での教育は各部署でやる実践研修」

今回の衆院選後、党内に唯一残る「麻生派」には11人の新人を含む14人が新たに加入し、山田議員もその一人となった。
山田議員が麻生派への入会を決めた理由は、外交官時代の記憶にある。
「2006年に麻生会長が外務大臣だったとき、『自由と繁栄の弧』という価値観外交の大戦略を提唱された。当時、私は新人外務省員として、その政策のコアとなった国のひとつ、ポーランドに赴任することになっていた。地球儀を俯瞰して世界を巻き込むというビジョンに、当時から強烈な印象を受けていた」
そのつながりと、学びの場としての環境の両方が、加入を後押ししたという。
そして意外だったのは、地元・姫路の支援者からの反応だったと話す。「派閥に入ったと言ったら、地元の支援者の方々がすごく喜んでくれて。『麻生太郎さんに会いたいです』という声も大きくて」と語った。批判的な声は今のところないと明かした。

実際に麻生派ではどのような活動が行われているのか。原田記者によると、毎週木曜日の昼に「例会」と呼ばれるランチ会が開かれており、各委員会の状況についてのレクチャーが行われる。国会では一人の議員がすべての委員会に参加することはできないため、自分が所属する委員会以外で何が議論されているかを派閥の場で把握できるというのだ。
一方、派閥に所属していない新人議員たちの置かれた状況はどうか。山田議員は具体的な場面を挙げて語った。
「仲の良い議員が、委員会で質疑に立つかもしれないという話になったとき、『問取り=質問聴取』という専門用語の意味や、行政官が霞が関から答弁に来るといった慣習を誰に聞けばいいか分からなくて困っていた。やはり1年生からすると、簡単に2年生、3年生に話しかけていいものなのかと、ちょっとためらいますよね」
「派閥=悪」ではない。定例で顔を合わせることで自然と先輩と親しくなり、情報を得やすくなるというのが派閥の機能の本質だと説明した。














