原発処理水放出 前後の変化は

海の調査をしているのは同じ研究チームの高田兵衛教授だ。

事故を起こした福島第一原発から2キロの浜で魚を釣っている。ヒラメやスズキなどの魚が調査の対象だ。

2023年8月、東京電力は原発の廃炉作業で出る処理水の海への放出を開始した。

処理水はセシウムなどを除去した後の取り除けない放射性物質トリチウムを含む。トリチウムは水素の一種で弱い放射線を出し、雨水や飲料水、人の体内にも存在する。

船で原発に近づいていく。

高田教授らは、処理水放出前の2021年からトリチウムの調査を続け、魚とその場所の海水を分析した。

その結果、放出前のヒラメの平均が0.075ベクレル、放出後は0.13(/kg)。

処理水の放出後トリチウムが上昇しているが、人体へ及ぼす影響はセシウムの700分の1とされ、セシウムの基準値と比べても非常に低い。

そして、放出前の海水が0.085ベクレル、放出後は0.17(/L)だった。

ヒラメと海水の濃度はほぼ同じで、トリチウムは魚の体内にほとんど蓄積しないことがわかった。

福島大学環境放射能研究所 高田兵衛教授
「トリチウムの場合はほとんど蓄積しない。水の濃度が下がればすぐ魚の濃度も下がる」

原発の廃炉作業が難航する中で、処理水の放出はいつ終わるか見通せない。

国や東電も調査をしているが、高田教授は風評被害を防ぐためにも、第三者がデータをとり続けることが重要だと話す。

高田教授
「処理水の放出量が少し増えてきている。それによる広がり方がどう違うのか、ちゃんと見ていかないといけない。30年、40年近く放出を続けるが、常に数値をみていって問題が無いか、安全性が担保できているレベルはしっかり見ていかなければならない」