昆虫も関係か 線量下がらぬワケ

川の魚への影響について調べているのは、同じ研究チームの和田敏裕教授らだ。

上流部が浪江町の帰還困難区域にある太田川。渓流魚のヤマメを電気ショックで捕獲する。ヤマメが食べているのは、川底の砂や水中の落ち葉の中に隠れている水生昆虫だ。

ーーこれは何の虫?
「カクツツトビケラ。葉っぱで巣を作って、ミノムシ状態で中に入っています」

トビケラの仲間やトンボの幼虫のヤゴなど、多くの水生昆虫がとれた。

ヤマメは陸上にいる昆虫も好んで食べる。陸生昆虫は夜間、特殊なランプに集まって来たところを捕まえる。
木の葉っぱや落ち葉も持ち帰り、放射線量を計る。ヤマメの線量は…

「955ベクレル、基準値の9~10倍」

ヤマメの平均は基準値の8倍の836ベクレル、最高で6400ベクレルの個体もあった。
実はヤマメの放射線量は原発事故の5.6年後から下がっていない。

2018年からの数値を見ると、落ち葉や水生昆虫の線量は年々下がっている。だがヤマメと陸生昆虫の線量は、下がっているとは言えない。

福島国際研究教育機構 石井弓美子主任研究員
「ヤマメは特に(線量が)下がらない。ヤマメが陸生昆虫を多く食べる。特に陸生昆虫との結びつきが強い魚で下がりづらいんだろうと」

オレンジ色の球がセシウム。仮説では、木や落ち葉などの線量は下がる一方で、落ち葉の下にある土の表面付近にセシウムが溜まっているのではないか。
その土壌付近に生息し、餌などからセシウムを取り込んだ陸生昆虫をヤマメが食べていることが線量の下がらない要因と考えられる。

福島大学環境放射能研究所 和田敏裕教授
「例えばカマドウマというバッタなどは『非常に濃度が高くなる』。カマドウマは落ち葉や腐葉土の下にいたりする。そういう所にセシウム濃度が高い部分があって、それを介してカマドウマからヤマメへとセシウムが移行しているかもしれない」
一方、川の下流では魚の数値が改善されてきたところもある。














