同学年の住所のスパートにどう対応したのか

レース内容的にも、諏方の想定した展開に持ち込むことはできたが、課題も残ったという。スタートから髙橋和生(29、ADワークスグループ)が先頭に立ち、それに諏方と住所大翔(26、富士通)が付く展開に。髙橋のペースが1km4分20秒まで落ちたため、29km手前で住所が4分06~09秒にペースアップ。諏方は10秒以上差を付けられた。諏方と住所は同学年で、「住所が出た時に『うわ、住所か』と思いました」。

高校時代から世代トップの選手で、22年のオレゴン世界陸上では8位に入賞した住所に対し、諏方は高校卒業後、地元でフルタイムで働く苦労人的な選手だった。

「逃げられるかな、と正直思いました。(2月の日本選手権ハーフマラソン競歩では住所が諏方に勝ち)ハーフの勢いがあったので。合宿などで苦楽をともにしてきて、ライバルであり良き友だちでもあるんですが、だからこそ、負けたくない気持ちは強くありました。20秒差を付けられたらキツかったと思いますが、10秒なら行けると思っていました」

諏方元郁選手

住所も4分06~08秒のペースを維持していたが、それを上回るペースで諏方が追い上げ始めた。35kmで追いつくと、36kmでは10m近くリードした。

「追いついたところで一度、力を貯めることも考えましたが、並んだ時に住所に余裕がなさそうに見えました。ここで勝負を決めないと、最後でまくられる可能性があると思って、気合いで抜いて行きました。(レース全体でも)最後の10kmが勝負と考えて、住所が飛び出した時も、残り10kmから(ハイペースにも)なんとか耐えるレースプランを考えていました。思い描いていたレースプランを遂行できました」

だが、4分05~06秒にペースを上げて逆転はできたが、最後の5kmは4分08~18秒まで落としてしまった。「そこを4分05秒で歩き切れれば」と諏方は悔やむ。国際大会で勝負をすることを考えた時も、最後のペースアップが重要になる。