『ロシアの空爆が急増』『電力不足』戦況激化で武力支援を求め…

ーーゼレンスキー大統領が訪問した1つ目の理由として、戦況の激化、長期化です。10月下旬以降、ロシアの空爆が増加し、継続的な武力支援がほしいという中でアメリカに支援を訴える機会が必要という思いが強かったからでしょうか?
「今行くということは、さらに戦闘が長期化、激化する可能性がある、だから今お願いしに行くんですね。そして10月以降、大規模空爆があってウクライナ人が亡くなっています。我々、寒さと暗さということを言っていますが、本当に亡くなっています。それを何とかして抑えたい。それが対空防空システムの『パトリオット』の供与だったんですね。当時ウクライナ軍は少し劣勢のときだったんです。ここで改めてアメリカ国民に訴えてぜひ武器支援をしていただきたいと」

ロシアの圧力で”なし崩し”…ベラルーシも協力せざるを得ない?

ーーそして2つ目の理由ですが、ロシアの戦闘力がアップしているという話。プーチン大統領とベラルーシのルカシェンコ大統領が12月19日に会談。また、9月にロシアでは部分的動員がありました。その後、訓練を受けた兵士が徐々に戦闘に参加して戦力に加わっているということも考えられるということですか?
「その通りですね。ルカシェンコ大統領とプーチン大統領がベラルーシで会いましたが、ルカシェンコ大統領はベラルーシ軍が攻めるということは言っていないし、
本人の意思としてもないと思います。ところが、ロシア軍の圧力によってどんどんそれがなし崩し的になっている。ただウクライナ側にしてみれば、北側からいつか攻めるという可能性があるだけで戦力が削がれる、つまり分散されてしまうんですね。そしてもう1つは9月に動員された若い兵士たち、訓練されなかった兵士たちがどんどん訓練されて前線に投入される可能性がある。これも人柱なんですが、ここにきますとさらに戦闘が激化する。ロシア軍が冬に向けて戦闘力アップという可能性があるんです」

ーーベラルーシはロシアに味方をしてウクライナを攻めるという点で何かメリットはあるのですか?
「メリットはないですね。ロシアとの間の関係も選択肢がなくなってきてるんですね。ベラルーシはもう否応なくプーチン大統領と一蓮托生という形なのだと思います」