痛みに上下の錯覚も…誤診を防ぐには
金川歯科医院には、こうした根幹治療をしても痛みが引かない「難治性」の患者が、月に数名のペースで相談に訪れているといいます。
また、診察の際に重要なのが「痛みの錯覚」を逃さないこと。
金川歯科医院 姜東勲歯科医師
「診断において特に注意しているのが、関連痛による『上下の錯覚』です。『左上の歯が痛い』と来院されても、精密に診査すると実際には『左下の歯のむし歯』原因だった、というケースは珍しくありません。患者さんの主観的な痛みの部位だけでなく、口腔内全体を客観的に診査することで、誤診や不要な処置を防いでいます」
とくに、歯そのものに異常が見つからない場合は、噛み合わせのバランスや、「非歯原性」の可能性を一つひとつ考慮し、多角的なアプローチを行っているということです。

正しい診断を受けるためにも、患者側からの情報提供が不可欠。
医師に以下の情報を整理して伝えると、スムーズな診断につながります。
⑴ いつ痛むか: 常に、噛んだ時、温度刺激など
⑵ 痛みの質: ズキズキ、ジワーッ、チクッ など
⑶ きっかけ:歯磨きの時、体を動かした時、鼻の症状など
⑷ 痛むタイミング:起床時、食後、寝る前、終日など
⑸ 薬の効き目: 市販の鎮痛剤で収まるかどうか

姜歯科医師は、精密検査ができる環境を選ぶことも大切だとしています。
金川歯科医院 姜東勲歯科医師
「痛みの原因を究明するために最も重要なのは、歯科医師が先入観を持たず、幅広い知見と経験に基づいて一人ひとりの症状に深く向き合う姿勢です。その診断をより確かなものにするために、歯科用CTやマイクロスコープなどの設備をどう役立てるかという『運用の質』が問われます。高度な機器は、歯科医師が導き出した推察を視覚的な根拠で裏付け、精度を高めるための補助ツールとなります」
神経や心臓の病気が隠れていることもある「歯の痛み」。歯そのものに問題がある場合、放っておけば悪化して抜歯を余儀なくされることもあります。
「たかが歯の痛み」と自己判断で放置せず、気になる症状があれば早めの受診を心がけましょう。














