交際相手の息子(当時1)を暴行死させたとして大阪府警が2024年に傷害致死容疑で逮捕した男性(27)について、大阪地裁は3月13日、無罪判決を言い渡しました。
27歳の男性は、2024年10月6日に大阪市平野区のマンションの一室で、交際相手の息子(当時1)に暴行を加え、腹部の内出血で死亡させた疑いで、大阪府警が逮捕。
その後、大阪地検が傷害致死罪で起訴しましたが、その後、暴行罪に訴因変更されていました。
府警・地検は、逮捕前の取り調べで男性が、“死亡した男児とその姉(当時2)のためにラーメンを作り、まず姉の前にラーメンの入った器を置いたところ、男児がその器をひっくり返し、汁が姉にかかったため、怒りを覚え男児の腹部付近を手で押して突き飛ばした”と自白したと主張し、その点を立証の柱にしました。
これについて、裁判で担当警察官は、“被告が自ら男児を突き飛ばしたという話をしだした。自白のうち実行行為の部分は被告の言葉をそのまま調書に書いていて、被告からの訂正申し立てもなかった”と証言。一方、男性は“否認供述のような話をしたが、思い切り突き飛ばしたということは話していない。警察官に聞き入れてもらえず、何度も同じ話をする中でニュアンスを変えられた。調書を修正してほしいと言ったが修正してもらえなかった”と述べました。
3月13日の大阪地裁判決(大森直子裁判長)は、▽担当警察官は、解剖結果を踏まえ、男児の腹部に複数回の暴行が加えられたとの想定の下で取り調べにあたっていて、自らの想定に沿う供述を引き出そうと、相当の時間をかけて被告を追及したのではないかとの疑念が生じる▽取り調べが2人きりで、録音録画がされることもなく行われていて、被告の供述が警察官の求める内容にゆがめられるなどして自白調書が作成された可能性を否定することは困難と指摘。
また、検察官の取り調べで被告が“自白”を維持した点についても、▽被告によれば、自白調書作成後の休憩時に、警察官から“検察官の取り調べでは同じ内容を供述しなければならず、そうしないとさらに不利になる”と言われ、それに従ったということであり、これを否定できるほどの事情は見当たらないと指摘しました。
結論として「暴行に及んだことを認めるための唯一の証拠というべき本件自白に、十分な信用性を認めることはできない」と判断。
男性に無罪を言い渡しました。
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