“この人と作りたい”という思いが物語を動かす
劇団 南極で脚本や演出を担うこんにち博士さん自身の原動力を尋ねてみると「人」だと答える。
「演劇というジャンルよりも、何かを作りたいという気持ちが原点にありました。劇団員や、他の仕事で出会うクリエイターやスタッフの方々と『この人と一緒に作りたい』と思う気持ちが原動力です」と胸の内を明かす。
脚本は俳優が決まってから書く“当て書き”を大切にしている。
「『泥沼惑星』(第1話)は俳優が決まりきっていない段階だったので想像を膨らませて書きましたが、『オーマイゴーマイウェイ』(第5話)はキャストの方々と実際にお会いした印象から、細部を当て書きで修正しました。その人自身の魅力や刺激を脚本に落とし込めるのは、演劇ならではの強みです」と手応えをにじませる。
最後に、劇団としての願いを口にした。
「『未来のムスコ』をきっかけに、演劇を全く知らない方が小劇場に足を運んでくださったらうれしいです。そして、せっかくなら『南極を観てみよう』と思っていただけたら、とても光栄です」と期待を込める。
ドラマの世界で描かれる劇団の姿は、決してフィクションの中だけの話ではない。小劇場の現場には、想像力と地道な手作業に支えられた創作の日常がある。こんにち博士さんの言葉は、その現実を静かに物語っていた。














