“大きな物語”への挑戦と小劇場の現実
こんにち博士さんが創作において近年強く意識しているのは、「大きな物語」を描くことだ。
「小劇場では半径1メートルの物語、登場人物の心の機微を描く作品が主流です。それもとても好きですが、宇宙や恐竜のような大きなモチーフを扱う作品は減っているように感じます。だからこそ、自分が作るものはできるだけ大きな物語にしたいと意識しています」と展望を語る。
一方で、劇団運営には現実的な課題も横たわる。
「演劇はドラマや映画といった他のカルチャーに比べて観客の母数が少なく、限られた層を多くの劇団が取り合っている状況です。純粋に面白いものを作ることと、職業として生活を成り立たせることの両立には、依然として高い壁があります」と率直に打ち明ける。
演劇を商業化すれば安定は見込めるが、チケット価格を抑えたままでは難しさも残るという。「そもそも観劇人口が限られている。だからこそ、普段演劇を観ない人に足を運んでもらう必要があります。観劇人口を増やし、間口を広げることは、常に考えています」と課題を見据える。
演劇の“とっつきにくさ”をどう払拭するかも重要なテーマだ。
「難解な演劇にも面白い作品はたくさんありますし、僕自身はそれも好きです。ただ、南極はできるだけとっつきやすい位置にいたい。まずは演劇になじみのない方をフィールドに引き込み、そこから演劇の奥深さに触れるきっかけを作ることが理想です」と思い描く。














