ガソリンは一気に値上がり、政府補助へ

こうした原油高騰を受けて、エネオスは12日から、系列スタンドへの卸値を1リットル当たり26円値上げしました。多くのスタンドでほぼ同額の値上げが実施され、都内のスタンドではガソリンは1リットル185円前後に達しました。

実は、値上げを知って前日の夜にガソリンスタンドに行ったところ、同じように満タンにしようとする車が続々とやってきていました。ガソリンだけでなく、石油関連製品はその範囲が広いだけに、原油高騰の影響は甚大です。

高市総理は、石油備蓄の放出を発表した11日、同時に、ガソリン価格の激変緩和策として、小売価格が170円を超える分を全額補助する意向を表明しました。差額が大きくなれば財政負担も相当なものになりますが、物価高への波及と消費者マインドへの悪影響を最小限に抑えるために、先手を打った形です。

実質賃金ようやくプラス

9日発表された1月の毎月勤労統計では、1月の実質賃金は、前年同月比で1.4%の増加と、13か月ぶりにようやくプラスになりました。消費者物価の指数が、1.7%の上昇と、過去2年は見られなかった1%台にまで低下したことが、実質賃金押上げの最大の要因です。

こうした物価の落ち着きと、春闘での賃上げ、つまり名目賃金の上昇によって、今年前半は実質賃金プラス化が実現するという見通しが、高まってきていました。しかし、原油高騰が再びインフレを加速させれば、実質賃金プラス化は蜃気楼のように逃げてしまいかねません。突然のイラン危機は、「物価と賃金が共に上がる世の中の実現」というシナリオを根底から崩しかねません。