予想以上に素早い決定でした。国際エネルギー機関(IEA)の加盟国32か国が、11日、4億バレルという過去最大規模の石油備蓄の協調放出で合意しました。しかし、ホルムズ海峡の封鎖状態が長期化する懸念から、市場の原油価格は、再び100ドル近くへと、むしろ上昇しています。店頭のガソリン価格も跳ね上がっており、原油価格の高騰は、消費者のマインドにも大きな影響を及ぼしつつあります。
国際的な石油備蓄放出で合意

11日の国際エネルギー機関(IEA)の合意は、日米欧など加盟32か国の全会一致でした。世界の原油の2割が通過するというホルムズ海峡の事実上の封鎖による影響を緩和するため、合計4億バレルの石油備蓄を協調して放出します。石油備蓄の協調放出は2022年のロシアによるウクライナ侵攻時以来のことで、当時の放出量は1億8000万バレルでした。今回はその倍以上、文字通り過去最大規模です。
日本は先駆けて備蓄放出表明
中でも日本は、IEAの合意に先立って、高市総理大臣が、日本としての備蓄放出を公に発表、IEAの議論を先導する役割を果たしました。ある政府関係者は「日本が単独でも放出するという姿勢を示したことが、欧州諸国の背中を押した」と説明しています。
日本の放出量は、国家備蓄が1か月分、民間備蓄が15日分のあわせて45日分です。官民合わせた日本の石油備蓄は254日分あったので、この放出を経ても、なお200日以上分の備蓄があるという計算になります。
現時点で、日本国内で全体として石油供給が足りないという事態には至っていませんが、ホルムズ海峡から日本までの航海におよそ3週間要することを考えると、間もなく「来るべき原油が来ない」状態になります。そうなると先行きの欠乏感から、国際市場価格以上に、国内での石油関連製品価格が高騰する恐れもあり、先んじて備蓄放出を決めた意味は大きいと思います。このあたりの高市政権のスピード感は、評価して然るべきです。














