手術で両足まひなどの後遺症…執刀した医師に判決です。兵庫県の赤穂市民病院に勤務していた男が業務上過失傷害の罪に問われていた裁判で、神戸地裁姫路支部は禁錮1年・執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。


■刑事裁判でも医療ミス認める

起訴状などによりますと、赤穂市民病院に勤務していた医師の松井宏樹被告(47)は、2020年1月、80代の女性の腰の骨を手術した際、誤って腰の神経の一部を切断し、両足まひなどの後遺症を負わせた罪に問われています。

2月9日、神戸地裁姫路支部で開かれた初公判で松井被告は起訴内容を認め、弁護側は「指導医の指示で、不慣れなドリルを用いた。松井被告ひとりの責任にはできない」などと主張しました。

検察側は冒頭陳述で「松井被告は止血措置を十分にとらず、視界確保をしないまま、ドリルを使った」などと指摘しました。

■謝罪するも「私だけが悪いのはおかしい」

2月12日の被告人質問で松井被告は「全て私の責任です。申し訳ありません」と謝罪しました。

また「チームでやっているので私一人だけが悪いとなるのはおかしいのではないか」(松井被告)などと述べ、経験不足を理由に手術を一度辞退したのに、上司の指導医から説得されて自分が手術をせざるを得なかったと主張しました。

検察側は、松井被告が裁判に向けて「無罪を主張して争うべきか」などとSNS上でアンケートを取っていたことを明らかにしました。

このアンケートの意図を問われた松井被告は…「世間がどういうふうに考えているかを知りたかった。軽率だったと思う」と証言しました。

■検察側は禁錮1年6か月を求刑「被害者は両足の感覚を失い歩けなく…結果が極めて重大」

2月18日は論告求刑。

検察側は「被害者は全治不能の障がいを負い、両足の感覚を失い歩けなくなるなど、結果が極めて重大である」などとして、禁錮1年6か月を求刑しました。


そしてきょう3月12日、神戸地裁姫路支部は松井被告に禁錮1年、執行猶予3年の判決を言い渡しました。

この事件をめぐっては、女性側が損害賠償を求めて民事裁判を起こし、松井被告と赤穂市に約8900万円の支払いが命じられていて、松井被告はその裁判が進む中で、在宅起訴され、刑事裁判が行われていました。