「最後だとわかっていたなら」
動画は、岩手県の地方紙「岩手日報」が、震災が起きた3月11日を「大切な人を想う日」にしようと呼びかけるためにはじめたキャンペーン広告「最後だとわかっていたなら」の一部だ。岩手日報は、被災者たちのこうした“後悔”を集め、2017年から毎年動画を作って公開してきた。
それはやがて教師たちの目に留まり、岩手日報は佐賀県の光武正夫教諭の協力で教材化。今や全国の100を超える学校などが動画を使って「最後だとわかっていたなら」をテーマに道徳の授業を行っている。
子どもたちは、動画に出てくる被災者たちに自身を重ねて心を動かされ、震災の悲しさを実感して防災行動につなげたり、毎日を大切に生きたいと考えたりする。
動画の家族はいま
動画が公開されて6年がたった今年3月1日、動画の家族は車で岩手県立釜石高校に向かっていた。母・瑠里子さん(48)が運転し、後部座席には高校3年になった長男・皇騎さん(17)と1年の次男・宗馬さん(16)がいる。この日は、皇騎さんの卒業式。瑠里子さんが冗談を飛ばす。
瑠里子さん「どうする?皇騎、名前呼ばれなかったら」
宗馬さん「卒業証書授与のとき?」
皇騎さん「予行練習では一応呼ばれたけど・・・」
宗馬さん「実は卒業できませんでしたって?」
瑠里子さん「実は、サプラーイズって」
車内は笑い声に包まれた。東日本大震災からの15年をどう過ごしてきたのか。あの動画が撮影された背景に何があったのか。3人に聞いた。

















