「食料品の消費税2年間ゼロ」のコスパの悪さ

与党の公約であった「食料品の消費税を2年間ゼロにする」という政策の物価対策としての効果についても、加藤氏は厳しい見方を示す。

複数のシンクタンクの試算によれば、この政策による負担減は1人あたり年間平均8万〜9万円程度(1日あたり200~250円)に留まる。問題は、この恩恵が高所得者ほど大きくなる点だ。上位20%の所得層は、下位20%の層の約2倍のメリットを享受するというデータもある。

また、国全体で見ると、食料品の消費税撤廃により約5兆円の税収が減る一方で、経済効果は3000億〜5000億円程度と言われる。「5兆円の減収に対して10分の1の経済効果しか生まないわけで、一般企業であれば絶対にやらないコストパフォーマンスの悪さだ」と加藤氏は切り捨てる。

また、外食産業にとっては、提供する食事に消費税はかからなくても、材料費などには税金がかかるため負担が増す。自治体にとっても減税手続きの負担は重く、「2年後にまた元に戻すのか」という実務的な混乱も必至だ。

イラン情勢によってさらなる物価高騰が懸念される今、「求められているのは本質的な所得の再分配など違う次元の対策や、円安を食い止める施策」と加藤氏は主張する。