日本人の10人に1人が多汗症 受診率はわずか5%
手術当日。執刀する医師から、改めて説明が行われた。

おだクリニック日帰り手術外科 小田斉 院長
「代償性発汗が多かれ少なかれ必ず全員に出る。その中に、手術を後悔するほどの極端な汗、例えば女性だと夏の暑い日に外出しただけでブラウスがびっしょり濡れるとか。過剰な代償性発汗で手術を後悔する方が実際にいる」
あかりさんは、代償性発汗のリスクを減らすため、手術は利き手の右手だけ行う。
手術の時間は約3分。脇の下から入れた電気メスで神経の一部を焼き切る。

無事に手術を終え、病室に戻ったあかりさん。安心したためか、目には涙が浮かんでいた。
この病院では、年間約800件の手術を行っているが…
おだクリニック日帰り手術外科 小田斉 院長
「保存的治療(皮膚科治療)についても、初診の外来のときにお話するようにしてます。代償性発汗で逆に手術を後悔する方がいらっしゃる。この手術はあくまでも、どれだけ手の汗で悩んでるかなんです」
手術から約4か月。あかりさんは、長崎県にある実家に帰省していた。
父・稔さんは、あかりさんから手術を受けると連絡を受けた時、驚いたという。

父・稔さん
「すごく怖がりだったので小さい頃から。急に一人で手術をするなんて決めるとは思いもしなかった」
手の汗はどのように変わったのか。見せてもらうと…

井手あかりさん(27)
「今、左手は汗がこんなに出てて、右手は全然出てない」
代償性発汗は、背中や足の裏の汗が多少増えた程度だという。

井手あかりさん(27)
「利き手だけでも自由に物が触れるようになることで、結構ストレスが軽減された。他の人に不快な思いさせないようにって配慮しようとしてたことが、よりできるようになった」
多汗症患者は日本人の10人に1人いると言われている。だが、治療にまでたどり着くのはごく一部だと医師は言う。

池袋西口ふくろう皮膚科クリニック 藤本智子 院長
「多汗症で病院に受診した人は5%以下。受診までは行き着かない人も多いのかなと思う。本人にはコントロールできない状況がいかに大変かは、みんなに知ってもらった方がいい。それによって治療できる人はした方がいい」














