女性初の自民党総裁・高市早苗氏が「働いて、働いて、働いて、働いて、働いていく」と言ったのは、昨年(2025年)10月4日の総裁就任演説。「私自身もワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる」(2025年10月5日朝日新聞)と、そのやる気を猛アピール。同月21日に女性初の総理に選ばれ、12月17日の記者会見では「目の前でやらなければいけないことが山ほど控えているので、解散について考えている暇がない」(2025年12月18日朝日新聞)とも発言。
その約1か月後に「高市早苗が内閣総理大臣でよいのかどうか。今、主権者たる国民の皆様に決めていただく。それしかない。」(2026年1月19日読売新聞オンライン)と言い出して、1月23日に衆議院を解散、総選挙へ。「大義がない」とか「16日間の選挙期間は短すぎる」とか、いろいろ批判の声もある中で迎えた投開票日の2月8日。
結果は、自民党が改選前の198議席を大きく増やして316議席を獲得。単独でも改憲発議が可能な衆院総定数の3分の2(310議席)を超えましたが、連立を組んだ日本維新の会と合わせた352議席は、実に総定数の4分の3以上。
この結果を生んだ要因の1つと言われるのが、高市氏の人気の高さ。読売新聞によると「衆院解散後も内閣支持率は高水準を維持」し、「自らの信任投票であることを有権者に強く意識させ、『高市人気』を自民候補に波及させ」て「保守層や若年層からの支持を得た」とのこと(2026年2月9日読売新聞オンライン)。
選挙の結果は出ましたが、「高市氏がどれくらい人気なのか」、そして「どんな人が高市氏を好きなのか」を改めてデータで確認してみます。
不人気が人気を上回るのが歴代総理の常
このコラムでおなじみのTBS総合嗜好調査(注1)は、政財界などの著名人を選択肢にして「好きな人」をいくつでも選んでもらう質問を、実に1970年代から毎年実施。さらに同じ選択肢で「好きでない人」も選んでもらっているのも、この調査の特徴です。その時々の総理が選択肢なのはもちろん、21年以降は高市氏も追加。
本コラム執筆時点での最新データは昨年10月(当時は石破茂総理)で、歴代総理と高市氏の人気・不人気は、次の折れ線グラフに示すような形になりました(注2)。

データは77年の福田赳夫総理からスタート。80年代の中曽根康弘総理、00年代の小泉純一郎総理、10年代の安倍晋三総理と長期にわたる政権もあり、短命政権が続いた時期もあり。
全体としては、不人気(好きではない)が人気(好き)を上回る時期が多い傾向。特に20世紀の間は「政治家は嫌われてナンボ」といった感じ。21世紀でも10年代の安倍政権は不人気が人気の倍くらいの時もありました。
そうした中、奇跡的に(?)人気が不人気を上回ったのが、93年の細川護煕総理、01~02年と05年の小泉総理、06年の安倍総理(第1次)、09年の鳩山由紀夫総理、13年の安倍総理(第2次)、そして20年の菅義偉総理でした。
非常に大きな国民の期待を集めて政権交代を実現し、総理の座についたのが細川・鳩山・安倍(第2次)の3氏。しかし、細川・鳩山両氏は政権が1年保たず、第2次安倍政権も発足翌年には不人気が上回る結果に。その後継の菅政権は、携帯電話料金値下げなどの政策で期待を集めたものの翌年には失速。
この調査で過去最高の人気(31%)を01年に獲得した小泉総理は、翌年も人気が高かったものの、03~04年は、戦争状態のイラクへの自衛隊派遣や、当時の閣僚や党幹部の年金未納発覚などで不人気に。しかし、05年に郵政民営化の賛否を争点に「郵政解散」総選挙を仕掛けて、自民党単独で296議席を獲得する大勝利を収め、人気も復活。最初の人気の高さもさることながら、一度落ちた人気を盛り返したというのも含めて、小泉総理は際だって異例な存在でした。
そこで高市氏ですが、選択肢になった21年の人気度は8%、24年も10%でしたが、そこからいきなり18ポイントも上昇して28%に。ポスト石破政権を争う自民党総裁選を制した勢いが、人々の人気にも表れた感じです。














