あの泣き声は一生忘れられない
3.1歳のわが子と過ごせない孤独

放送作家 たむらようこさん
「当時、息子はまだ1歳。急にお母さんがいなくなってしまった息子のことが心配で、入院中はずっとそのことばかり考えていました。夕方、パパが息子をお見舞いに連れてきてくれる。その時間だけが唯一の楽しみだったんですが、ある日、息子が病室のカーテンを自分でシャッと閉めてしまったんです。パパが開けても、また閉める。息子は泣きながら『バイバイ、い~や~よ、バイバイ、い~や~よ』って言っていました。1歳なのに、『会えばまた別れが来る』ということを理解させてしまっていたんです。もう少し大きくなると、随分聞き分けが良くなって面会もできて、エレベーターまで見送るまでニコニコの息子。でも、ドアが閉まった瞬間に『ギャー!』という泣き声が、エレベーターが降りる速度に合わせて遠ざかっていく。あの泣き声は一生忘れられません。廊下にへたり込んで『ママが病気でごめんね、ごめんね』と叫ぶしかありませんでした」
仕事は激減 命の選択を迫られるような毎日
4.容赦なく削られる「財布」
放送作家 たむらようこさん
「がんはお金がかかります。初期なら20万円程度で済むこともありますが、進行がんだったので、私の場合は治療費などで数百万単位のコストがかかりました(2009年当時)。私は会社を経営していたので、休むと仕事が来なくなるし、後輩たちの給料も困る。でも無理をして働けば体が蝕まれる……命の選択を迫られるような毎日でした。結局、がんを公表したことで仕事は激減し、会社は赤字に。保険に入っていたので治療費はカバーできましたが、備えがなければもっと大変なことになっていました」














