大みそかに開催される「WBO・WBA世界スーパーフライ級(52.1キロ以下)王座統一戦」の公式会見が23日に都内で行われ、WBO世界スーパーフライ級王者の井岡一翔(33)は「チャンピオン同士の戦いなのでレベルの違いを見せたいなと思います」と決戦に向けて気迫を前面に押し出した。

19年6月にWBO同級の王者となった井岡は、昨年IBF同級王者との統一戦が新型コロナ拡大の影響で流れるなど、約3年半近く統一戦が行われず。その間5度の防衛を果たし、今回念願の統一戦が実現した。大みそかの試合は11度目(世界戦は10度目)で、勝てばWBO王座は6度目の防衛となり、WBAとの統一王座を獲得する。

対戦相手は20年6月にWBA世界スーパーフライ級王座を獲得したジョシュア・フランコ(アメリカ)。21年8月、初防衛に成功したモロニー戦以来のリングとなる。この日は来日スケジュールの影響で会見は欠席。

井岡はこの試合に勝てば日本人初の2階級王座統一となり「この統一戦の為に身体を作ってきた。僕が今まで築いてきたもの、チャンピオンとしてのレベルの違いをみせたい」と意気込んだ。

この大一番に向けて約3年ぶりのアメリカ合宿を約2か月間行った井岡は「10月下旬から12月19日まで、100ラウンド近くスパーリングをやりました。最長のスパーリングは10ラウンド、自分自身はいい意味で余裕がなかった。全てラスベガスでやり切ってきた」とこれまでの厳しいトレーニングを口にした。

◆子供が“パンチいっぱいして来てね”

ボクシング界は今月13日に井上尚弥が日本人初の4団体統一に成功し、試合後スーパーバンタム級に転向すると明言。日本人最速で3階級制覇を成し遂げた井上は、井岡に次ぐ2人目の4階級制覇、2階級での4団体統一を目指す。

「他選手の試合から何か刺激を受けるか」と聞かれると「言葉での表現は難しいですが、他の選手から刺激をもらうことはないというか。僕は僕なので他の選手を見て方向性が変わることはないですし、やるべきことに対してどう行動するかを大切にしている。僕の試合では僕なりのパフォーマンスを見せていきたい」と語った。

第2子が誕生して初めての試合となり「子供が喜んでいる姿を見ると父親としてやれることをやりたい、子供が学校へ行くときに“パンチ、パンチいっぱいしてきてね”と言われる。強いチャンピオンでいてあげたいですね」と父親の顔も見せた。

【井岡一翔大みそか決戦の成績】
2011年12月31日 〇1R TKO ヨードグン・トーチャルンチャイ(タイ)
2012年12月31日 〇6R TKO ホセ・アルフレッド・ロドリゲス(メキシコ)
2013年12月31日 〇判定 フェリックス・アルバラード(ニカラグア)
2014年12月31日 〇5R KO  ジャン・ピエロ・ペレス(ベネズエラ)
2015年12月31日 〇11R TKO ファン・カルロス・レボコ(アルゼンチン)
2016年12月31日 〇7R TKO スタンプ・キャットニワット(タイ)
2018年12月31日 ● 判定 ドニー・ニエテス(フィリピン)
2019年12月31日 〇判定 ジェイビエール・シントロン(プエルトリコ)
2020年12月31日 ◯TKO 田中恒成
2021年12月31日 〇判定 福永亮次