「父に酸素を…」毎日19時間の停電、高齢者に迫る危機

停電が命に直結する人もいます。

キーウ市内の自宅で横たわる、ペトロさん(87)。重い肺の病気を抱え呼吸が困難なため、数時間に1度、酸素濃縮器の吸引が欠かせません。

ところが…

記者
「今まさに停電が起きました。電気が消えました」

ペトロさんが暮らす地域では、毎日19時間ほど、電気が止まるそうです。

ペトロさん
「ゲホゲホ…」

ペトロさんの娘 タニャさん
「本当は今少しでも酸素吸入できればいいんだけど…」

娘のタニャさんは、呼吸が浅くなる父親をそばで見守ることしかできない苦しみを打ち明けます。

ペトロさんの娘 タニャさん
「『そろそろ酸素を吸わないと危ない』と分かっているのに、どうすることもできない。父の寿命がもう長くないことも分かっていますが、それでも私にとっては大切な父なんです」

ミサイルを知らせる空襲警報が鳴っても…

ペトロさん
「(停電で)エレベーターが動かないので、外に出ることもできない。階段も上がれない。だから、ここで横になっているしかないんです」

6歳の頃、第二次世界大戦の終焉を経験したペトロさん。再び戦争に巻き込まれることは想像していませんでした。

ペトロさん
「2回目だ。これで2回目(の戦争)。いいものじゃない…全くいいものじゃない」
「孫たちには、“戦時下の子どもたち”として生きてほしくない。本来の人生を生きてほしい」

ウクライナ最大の民間電力会社は、市民の日常を壊し、国内に混乱を招くことこそがロシアの狙いだと指摘します。

民間電力会社DTEK復旧局 オレクシー・ポボロツキー局長
「これは軍事施設への攻撃ではなく、人間…民間人、子ども、高齢者への攻撃です。私たちは今『エネルギー危機』とともに『人道危機』の時代へと入りつつあるのです」

避難所に来た子ども
「戦争がなかったら、もっと遠足に行きたかった」

ウクライナ市民はいま、「最も寒く、暗い冬」と闘っています。