「ここでやりきらないと」ジャンプに向かう前の思い

――ビッグエアでは9位でしたが、その後、スロープスタイル予選を7位で通過して、決勝に挑みました。1回目に挑戦し、転倒してしまった「スイッチバックサイド1260」は通常の足とは逆側から入り、背中側に3回転半(1260度)回る大技です。どんな思いで挑戦しましたか。

「これぐらいの技を入れないといけないかな」と思って、最初は入れました。

――2回目も果敢に攻めていました。1回目から気持ちはすぐに変わりましたか。

意外と、うまく切り替えられたんじゃないかなと思います。

――2回目は、1回目に失敗してしまった「スイッチバックサイド1260」から、1回転分を落としたということですが、佐藤コーチと話をして戦略的に変えたということですか。

男子の競技を見ると、高回転のジャンプをするというよりも、「ジブで絶対に落ちないことが必要なんだ」と佐藤コーチが分析して、2本目で確実に立って、3本目に弾みをつけるようにやりました。

――1回目では失敗、ビッグエアでは悔しい結果もあったので、2回目は緊張感や不安もあったのではないですか?

やはり緊張はありました。でもビッグエアで「緊張してもしょうがないな」と学んだので、あまり緊張しないで、自分の滑りにフォーカスするようにしました。

――普段は、日本や中国で練習されていると思いますが、イタリアの雪は違いますか。

中国だと基本は人工雪なので滑りの質も違います。ソールを綺麗にしてくれる人がいて、その方がリビーニョの雪に合ったワックスをしてくれるので、かなり飛べたと思います。

――2回目でトップになって迎えた3回目。どんな気持ちで臨みましたか。

2本目のままだと、自分でも納得できなかったので「ここで絶対にスイッチバックサイド1260を決める」という思いで滑り始めました。

――「スイッチバックサイド1260」の10点満点のジャンプ、出来栄えはどうですか。

このキッカーで、「スイッチバックサイド1260」をやってる選手はいなくて、「自分が決めたい」という気持ちもありました。大会で決めたことが無かったので、嬉しかったです。

――練習で出来ている技でも、本番ではできなかったり、緊張感やプレッシャーもかかると思います。大技となると、不安定なメンタルで挑むことになるでしょうか。

2本目で決めておいたことによって、「あとは挑戦するだけだ」というか、オリンピックが最大の目標だったので、「ここでやりきらないといけないな」と思っていたので、気持ち的には乗り気というか「やってやるぞ」みたいな感じでした。

――金メダルが確定した瞬間、どんな気持ちが込み上げてきましたか。

今まで、つらいことがほとんどでしたが、ここまで続けてこれてよかったなと思いました。