消費税減税に“多くの課題”

食料品の消費税が8%⇒0%になった場合、どのくらい家計への負担が減るのか。

『第一生命経済研究所』の熊野英生さんの試算では、2人以上世帯の平均で「年間6万7000円負担減」となるが、“恩恵にはばらつきがある”と話す。

『第一生命経済研究所』首席エコノミスト 熊野英生さん:
「食料品消費税が0%の一方で、外食は10%のまま。外食が多い人たちがいて、単身男性は外食の比率が食費の半分近くの45.7%。単身の女性も食費の35.3%が外食なので、独身の男女にはあまり恩恵ない」

<食費から見る外食の割合>
【単身男性】45.7%
【単身女性】35.3%

※総務省「家計調査」※34歳以下

さらに熊野さんは、消費税減税の「物価高対策」としての効果にも疑問を口にする。

『第一生命経済研究所』熊野英生さん:
「食料品の物価高は、2023年に前年比8%と負担が大きかったので“遅ればせながら”という感じだし、問題は消費者物価指数で、外食を含む食料品価格の上昇率を平均すると2022年から年間約6%のペースで上がっていること。つまり消費税減税をしても1年ちょっとしかサポートの効果が続かないということ」

――政治的には減税の方向で進んでいるが、エコノミストとして消費税減税はやるべきではないと?

熊野さん:
「問題が多いと思う。まず物価高に関しては、物価高の火元である円安。海外と国内の物価格差が縮まらないとずっと物価高が続く。それから消費税は社会保障の財源という点。高齢化は今後も続くのに、財源だけ宙に浮かせておいて消費税減税をやっていいのかどうか。そこは甚だ疑問」

他にも、消費税減税の課題はある。

<消費税減税の課題>
食料品の消費税8%【年間5兆円】
▼財源はどこから
▼外食離れを招かないか
▼システム(レジ等)の改修が間に合うか
▼2年後に8%に戻せるのか
▼8%分値下がりするのか

――高市総理は、できれば27年の1月1日、遅くても4月1日に実施したい意向のようだが本当にできるのか。2年後に8%に戻せるのかも政治的には大きい

熊野さん:
「おそらく2年後には、またエコノミストの一部で『増税になるから戻してはダメだ』という議論が出て約束が反故になってしまう。そうなると、恒久財源を探さないといけなくなる。さらに、2年で8%に戻せずに給付付き税額控除を一緒にやったら、財源がものすごく必要になる」