去年1年間の被害額が1400億円を超え、過去最悪となった「特殊詐欺」による被害。そのうち、およそ7割を占めるのが“ニセ警察官”による詐欺で、高齢者以上に若い世代の被害が拡大しています。
「逮捕した詐欺グループから、あなたのキャッシュカードが見つかった」
ある日、突然かかってきた電話。警察官を名乗る男はビデオ通話を要求します。
「千葉県警察本部捜査二課、矢口貴史と申します」
男は自身の顔を出したうえで、警察手帳のようなものを示し、本物の警察官だと信じ込ませ、金銭をだまし取りました。
警察庁によりますと、去年1年間の特殊詐欺の被害額は、過去最悪の1414億2000万円。中でも、警察官をかたって現金をだまし取る「ニセ警察詐欺」の被害額が69.7%を占めました。
被害者は30代が最も多く、次いで20代となっていて、高齢者よりもむしろ若い世代で被害が拡大しています。
かつて、「匿名・流動型犯罪グループ」=トクリュウの幹部だったという人物は…
トクリュウの元幹部
「(警察に)捕まるのは第一線の受け子出し子だから、僕らに被害はないだろうって高をくくっていました」
こちらは去年5月、カンボジアで摘発された特殊詐欺の拠点。中に入ってみると、「オーストラリア警察」と書かれています。各国の警察になりすましてビデオ通話をかけるためとみられるセットが作られていました。
各国の国旗や警察官の制服のようなものも、大量に見つかりました。
さらに、こんな巧妙な手口も…
「大阪地検特捜部検事の石野と申します」
これは、大阪地検の検事を名乗る男からかかってきたビデオ通話。身分証を示し、相手を信じ込ませますが、次の瞬間、それまでなかった口ひげが一瞬、写り込みます。生成AIで、口ひげを消す加工がされているのです。
AIにはAIで、そんな対策も動き出しています。NTTドコモは、AIを使って、かかってきた電話の文言や声色から詐欺かどうかを判定するシステムを開発中です。
正解率は現時点で95%以上。来年度中の実用化を目指すということです。
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