90年にわたって千葉県の房総半島を走り続けてきたJR久留里線。この列車の一部区間が来年4月に廃止されることが決まりました。利用者数の減少でJR東日本が路線を廃止するのは初めてです。

JR東日本 喜勢陽一 社長
「これまで作り上げてきた鉄道のネットワークを『廃線』という形で失うのは非常に残念なこと」

JR東日本が“一部路線を廃止する”という苦渋の決断をしました。その対象となったのが、JR久留里線です。

千葉県の木更津市と君津市を結ぶ全長32.2キロの路線で、このうち、久留里駅から上総亀山駅の9.6キロの区間が廃止されることが決まりました。

久留里線は今から90年前の1936年に開業。長く住民の交通手段として使われてきたほか、「奥房総」への“観光の足”としての役割も担ってきました。

このローカル路線が廃止される理由は「利用者数の減少」です。

今回廃止される区間の一日の利用者数。1987年には823人が利用していましたが、2021年にはわずか55人と、およそ9割も減っています。

きょう現地に行ってみると…

記者
「今、1人、2人、3人、4人降りてきました」

この列車の利用者は15人ほど。なかには、鉄道ファンとみられる人たちの姿もありました。

久留里線は「人口の減少」や「自動車の普及」で利用者が減るとともに赤字が続き、2024年度では100円を売り上げるために6600円余りの経費をかけている状態でした。

JR東日本
「鉄道の特性である大量輸送のメリットを発揮できていない」

北海道や西日本などでは利用者数の減少で廃線となるケースが相次いでいますが、JR東日本のエリアで廃線が決まったのは今回が初めてだということです。

この事態に利用客は…

70代女性
「困りますね。車を頼むしかない」
50代男性
「乗る機会少ないです。利用者の人には不便を感じるかもしれないですが、僕も商売をしている手前、やっぱりお金がかかってしまうと、どうしても続けていくのが難しくなってしまう感じがします」
70代女性
「悲しいけど、少人数しか乗らないし、人がいないし、しょうがないのかな。コスパを考えたら無理もないのかな」

JR東日本や君津市などは3年前に、将来の地域の交通のあり方を検討する会議を設置。バスなどの自動車を中心とした新たな交通体系をつくり、より利便性を高めるとしました。

JR東日本は代わりとなるバスの運行にかかる費用18年分を負担するとしています。

久留里線の一部区間は来年4月に廃止される予定です。