インターネット上の誹謗中傷に対処するために厳罰化された刑法の侮辱罪について、運用状況を検証していた法務省の検討会は、さらなる厳罰化などは「ただちには必要ない」としつつ、継続的な検討を求める報告書をまとめました。

「侮辱罪」をめぐっては、SNSでの誹謗中傷を受けた、女子プロレスラーの木村花さん(当時22)が亡くなったことなどをきっかけに刑法が改正され、2022年7月に厳罰化されました。

その後の「侮辱罪」の運用状況をめぐり、法務省は2025年9月から、大学教授や弁護士などで作る検討会を開いて検証していて、きょう(9日)、報告書をまとめました。

法務省によりますと、厳罰化された2022年7月から2025年6月末までにインターネット上での侮辱罪で罰金か科料が確定したのは104人で、うち85人に対しては、従来の科料より重い法定刑である罰金が科されました。

報告書では、厳罰化について「悪質な事案により適切に対処できるようになるなど、一定の効果があった」と評価しました。

検討会では、▼SNSのダイレクトメッセージを利用した「公然性」のない誹謗中傷を処罰対象に含めることや、▼法定刑をさらに引き上げることなどについても議論されましたが、「ただちに措置を講じる必要はない」と結論づけています。

一方で、厳罰化後も、インターネット上の誹謗中傷に関する相談件数が増加傾向にあることから、誹謗中傷をめぐる現状は「依然として憂慮すべき状況」と強調していて、政府に対して、引き続き運用状況を注視し、さらなる刑事上の対策について不断に検討するよう求めました。