X8.1クラスというと?

──X8.1クラスの規模は珍しいのでしょうか。

米田瑞生さん

「X8.1クラスというと、1年に1回から2回くらいでしょうか。

X8.1クラスの太陽フレアは、平均すると1年に1~2回程度しか起こらない、非常に規模の大きな現象です。今年はすでに複数回Xクラスの太陽フレアが発生していますが、その中でもX8.1は最強クラスに相当します。

Xクラスの太陽フレアでは、X線で観測される明るさが非常に強く、地球上空の電離圏(高度約60km以上)の状態に影響を与えます。この影響により、電波通信の障害が発生したり、GPSなど人工衛星を利用した位置測定の精度が低下したりすることがあります」

「また、太陽フレアによって地球上空の大気が加熱され膨張すると、低高度を周回する人工衛星が受ける空気抵抗が増加します。その結果、衛星は徐々に速度を失い、場合によっては高度が下がり、運用に支障が出ることがあります。

高度約3万6千kmの静止軌道にある衛星はほとんど影響を受けませんが、スターリンクの通信衛星のように高度数百kmで運用されている低軌道衛星は影響を受けやすくなります」

磁気嵐とは

──太陽表面で爆発現象があると、どうなるのですか?

山陽学園大学 米田瑞生さん
「フレアに伴って、太陽のプラズマ(水素のガスが電離して、水素イオンと電子に分かれた状態のもの)が宇宙空間に放出されます。これをCME(コロナ質量放出)と呼びます」

「このCMEのプラズマが地球を直撃したとき、磁気嵐が起きます。磁気嵐が発生すると、地球の周囲には強力な電流が流れます」

「この電流により、オーロラが広い範囲で明るく観測される他、この電流が磁場を作り出します。磁気嵐の規模は、オーロラの他、地上で磁場を計測することでも把握することができます」

──今後は、どうなりそうですか?

山陽学園大学 米田瑞生さん
「磁気嵐が強い場合には、普段は見られない地域でオーロラが観測されたり、北極・南極周辺では非常に明るいオーロラが現れたりします。

1月22日には、日本でもオーロラが観測されるほどの強い磁気嵐が発生しましたが今回の太陽フレアでは、それほど大規模なCMEは発生していないとみられています。

ただし、程度の差はあれ、磁気嵐が起こる可能性はあります。過去には、磁気嵐によって大規模停電や人工衛星の機能停止といった被害が発生した例もあり、注意が必要です」