働く人の7人に1人…多くが未婚の「アンダークラス」とは

格差の実態をデータで読み解いている、早稲田大学の橋本健二教授は警鐘を鳴らす。

早稲田大学(社会学) 橋本健二 教授
「非正規雇用者として、非常に不安定で低賃金で働く人々が増加して、その厚みを増してきたのではないか」

教授が指摘するのが、雇用される側の労働者が事実上、二つに分断されているという現実だ。

特に、夫の安定した収入があるパートタイムの女性をのぞく「非正規雇用」の人たちは、いまや890万人(全体の13.9%)に達している。

就業人口の約7人に1人が占めるこの層を、橋本教授は「アンダークラス」と呼ぶ。

早稲田大学(社会学) 橋本健二 教授
「労働者階級は、家族を形成して子どもを産み育てるだけの賃金をもらっていなければいけない。ところが現代の非正規労働者は、そのような賃金をもらっていない。だから非正規雇用労働者の大部分が、実は未婚者。つまり経済的に苦しいので結婚できない、子どもを産み育てることもできない。今までの労働者階級とは根本的に違うという意味で『アンダークラス』と」

橋本教授が調査したところ、アンダークラスの59歳以下の平均年収は216万円で、正規雇用の平均年収486万円の半分に満たなかった。

いくら働いても抜け出すことが難しく、格差が固定化される傾向が強い。

村瀬健介キャスター
「アンダークラスの層のボリュームが大きくなっていくことの社会的なインパクト、どういう問題をはらんでいると考えていますか」

早稲田大学(社会学) 橋本健二 教授
「格差の拡大した社会では、人々の連帯感が失われてしまう。あるいは、人々の間の敵対心が強まる。人々の間の助け合いがなくなり、生活の上で困ったことがあっても誰も助けてくれない。だからさらに困難な状況に追い込まれる。いわば、社会全体が病気になっていく」