身近な食材や生活雑貨を風景の一部に見立てる不思議な世界。12月10日に盛岡で開幕したミニチュアアートの展示会には独特の作品世界と言葉遊び、そして仕掛けが溢れていました。見立ての世界の「見かた」を取材しました。

 ミニチュア写真家・見立て作家の田中達也さんは食材や生活雑貨など身近なものを題材に様々な風景に見立てた作品を製作し10年以上にわたってインスタグラムに写真を発表しています。
 盛岡での作品展は4年ぶり2度目。前回と異なる170の作品が展示されています。開幕を前に田中さん、展示の仕上げに余念がありません。盛岡展限定公開の作品、「盛岡冷麺”なみ”盛り」は、メニューの並盛と波乗りの波をかけています。

(田中達也さん)
「ここでしか作れない作品だと思うので。他にないですからね、スイカが入っている冷麺は」

 前回の盛岡展で訪れた際に食べた盛岡冷麺が気に入って仕上げた新作。しかし、意外な事実が明らかに。

(田中達也さん)
「実は(スイカ)食べられないんですよ。苦手で。前に盛岡に来たときも、スイカ入っているじゃないですか。スイカだけ他の人に食べてもらって、僕は食べなかったですね。冷麺自体は美味しかったですね。きのうも食べましたし」

 一方こちらは車に見立てた寿司がまるで高速道路を走るように見える「おスシティー」。点検用の扉を開けて中を見ると…。そして、高層ビルのように高く重ねられた皿の間を行き交う人々をよく見ると…。会場には他にも田中さんの遊び心一杯の仕掛けが溢れています。
 例えば自然や世界旅行などコーナーの表示には田中さんがテーマに沿ったイラストを書き加えました。
 極めつけは会場に入ってすぐの動画をダウンロードするための二次元バーコード。

(田中達也さん)
「こうやって塗って描いているんです。(これで読み取れるんですか?)読み取れますよ。意外と普通に描いてもいけるんだなと。ITをアナログで。矛盾していますかね」

 目で見て作品を楽しんでタイトルに込められたかけ言葉を楽しんで。会場に隠された数々の仕掛けも楽しんで二重三重に楽しめます。

(田中達也さん)
「自分の中でより面白くしていくというか、そこから先の想像力が一番大事なので、それをこの会場の中だけでなくて、家に帰った後とかに普段見る道具を見て面白いダジャレを考えたりとか、見立てを考えたりするのが一番大事なポイントだと思います」

 身近な食材や生活雑貨が全く別なものに見えてくる見立ての世界。「MINIATURE LIFE展2~田中達也見立ての世界~」は来年1月29日まで盛岡市民文化ホールの展示ホールで開催されています。