日本銀行は金融政策決定会合で事実上の利上げを決めました。市場ではサプライズと受け止められ、円高・株安が進んでいて、住宅ローンなどの金利にも影響が出てくる可能性があります。
「(事実上の利上げに)戸惑ってます」
「なんでこのタイミングなんだろうっていう」
「ようやくきたなと。今まであまりにも金利が動かなかったから」
日銀は金融政策決定会合で、現在の金融緩和策の一部修正を決めました。これまで長期金利について「プラスマイナス0.25%程度」の変動幅で推移するよう調節するとしてきましたが、これを「プラスマイナス0.5%程度」まで拡大するとしました。
市場で事前に予測されていなかったサプライズでの政策の見直しです。ただ、黒田総裁は金融緩和は変わらないと強調しました。
日本銀行 黒田東彦総裁
「利上げではありません。景気には全くマイナスにならないと思いますし、引き締めるつもりはありません」
欧米の相次ぐ利上げで日本の長期金利にも上昇の圧力が強まるなか、金利の上限を日銀が0.25%にとどめていることで「市場のゆがみ」が高まっていると説明。利上げや引き締めではないと否定し、むしろ今回の見直しは景気にはプラスだと強調しました。
しかし、市場は「事実上の利上げ」とネガティブにとらえ、大きく反応しました。
外国為替市場の円相場では、日本の金利が上がるとの見方から会合終了後に一気に円高に振れ、一時132円台をつけました。また、東京株式市場は一時800円を超える値下がりとなりました。
私たちの生活には、どのような影響があるのでしょうか。10月の消費者物価指数は40年ぶりの上昇幅に達していますが、物価高が抑えられる可能性があるといいます。
また、住宅ローンについては、(30年などの)固定型は金利が上がる可能性がありそうです。一方で、変動型の金利はすぐに変化しないとみられています。
また、国の財政運営では、金利の上昇が今後も続けば、国の借金の利払いが将来的には増えることも予想されます。
黒田総裁は、これまで政策変更の可能性を示唆してきませんでした。任期満了が来年4月に迫る中、なぜ、このタイミングで政策変更に踏み切ったのでしょうか。
第一生命経済研究所 熊野英生首席エコノミスト
「次の総裁の政策に縛りがないように、次の総裁が変動幅の上限を上げるんだったら自分のうちにやっていこうと、次の総裁へ交代するための準備のために今やってるんじゃないか」
ただ、黒田総裁は路線変更はしていないと何度も強調しました。
日本銀行 黒田東彦総裁
「出口戦略の一歩とか、そういうものでは全くありません。具体的に論じるのは時期尚早である」
年明けからは黒田総裁の後任を選ぶ人事が本格化することになります。
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